「人知れずダンスを終えた雨粒の
見る夢がいま、夜に滲んで」
2015年に書いた詩を掲載した本です。
発 行 :2019/12/05
著 者 :平野雄一
デザイン:ヤマモトミノ
ページ :20P
価 格 :500円
部 数 :50部
内 容 :「六月」「月(兎が餅をついている)」
「商店街の天使」「雨上がり」
「短歌」「静かな次郎さん」
取 扱 :
小さい部屋(京都)
恵文社一乗寺店(京都)→取扱終了しました。
「六月」
そして六月がやってくる
口笛を吹きながら
口笛は雨を誘う
女は窓の外を眺める
ぽつりぽつりと雨が降り出す
雨の中 女は六月を見ている
六月は雨に降られながら歩いていた
窓に雨粒
ありふれた六月の雨
ありふれた傘をさす
ありふれない雨粒のリズム
雨に歌えば
踊りだすのは雨粒
歩くのは六月
ダンスが溢れて 溢れて
六月は口笛を吹く
部屋の中で女は
六月のカレンダーをめくる
雨音は遠のいて
雨粒はダンスを終える